開業した経緯(きっかけ)は?
トリマーになるのはちいさい頃からの夢でした。高校卒業後にペットの専門学校に進学したんですけど、親からの反対はなし。「トリマーになりたい!」ってずっと前から宣言してたので、諦められてたのかもしれません(笑)その専門学校で2年間学んで、「JKC公認トリマー」って資格をとって卒業しました。この資格がなくても開業できるんですけど、お墨付きをもらったみたいな感覚ですかね。大なり小なり自信にもなるし。卒業後は石川県で3年間、トリミングサロンで働きました。その時から「将来は自分のお店が持ちたい!」と思ってました。ひとりでのんびり仕事ができるような。その後、大阪で2年間、トリマーとして働いた後、石川県に帰ってきたのをきっかけに物件探しをはじめました。
物件探しはどんな風に進めたのですか?
ネットで探してました。ちょうど産後ですぐには働けなかったので、ゆっくり時間をかけて。2、3ヶ月ほどですかね。車で走ってるときに「いい物件ないかなって」キョロキョロしたりもしながら(笑)この物件を見つけて電話すると(のうか不動産の)加藤さんと小﨑さんのおふたりが室内を見せてくださりました。ほかにも候補はあったんですけど、いい感じだったので決めちゃいました。決め手になったのは、設備と立地です。トリミングサロンって給排水設備がないとはじまらないんですよ。新設するとなると費用がかかるじゃないですか。ここにはすでにあったんです。それと、金沢駅から近くていい条件なのに、周辺にトリミングサロンがないのも良かったです。広さも想定してたくらいだったし。そのうえ家賃をすこし下げていただくこともできたんです。
お店づくりはご自身でされた?
トリミングサロンとして開業するには市役所の許可をもらう必要があるんです。その条件として壁と床を防水にしないといけないんです。ふつうなら内装工事は業者さんに頼むんでしょうけど、イニシャルコストを抑えたかったんで、ぜんぶ自分でやっちゃいました。ほら、その辺とか、よく見ると壁紙がちょっとはがれちゃってるところがあるでしょ(笑)看板も自分でデザインしたものを、ネットで注文して節約しました。ほんとはもっとオシャレにしたかったんですけどね。すべて準備が整って、市役所のかたに見に来ていただいて、許可をもらって、オープンにこぎつけました(笑)お店のPRのためにチラシを印刷してポスティングに回ったりもしましたね。これが意外と反響があったりして。ホームページとInstagram、YouTubeもやってます。すこしずつフォロワーを増やしていく作戦です(笑)
トリミングサロン「D-DOGs」について
大阪ではトリマーひとりで動物一頭を最後まで受けもつ、高級サロンに勤めていました。そこで鍛えてもらったおかげで、時間をかけずに高いクオリティでカットするスキルが身につきました。このサロンのトリマーはわたしひとりなので、カットのクオリティーが、来店されるごとに変わってしまうことはありません。「ライオンカットがいい」「ここだけ長めにしてほしい」「水を飲むとき邪魔にならないようにしてほしい」いろんな要望に柔軟に対応しています。ペットホテルのエリアにはカメラを設置していて、お預かりしたペットを、わたしがいつでも確認できるようにしています。夜中とかも様子を見られるので、お客さまに安心してもらえるかなって。この仕事をしていてうれしいなと思える瞬間は、カットした後に「かわいい~!」って、飼い主さんに言ってもらえたときですね。これはこの仕事をはじめたときからずっと変わりません。
今後の展望は?
金沢駅を利用する方にはどんどん使っていただきたいですね。いま利用いただいているのは、県外に旅行に行かれる方や、数日ゆっくりしたいので預かってほしい、といった方がほとんどです。コロナ禍にひと区切りついたので、観光で来県される方にもぜひ使っていただきたいですね。だからといって、店舗をどんどん増やしていこうっていう気はないんです。以前に勤めていたサロンが忙しくて、腱鞘炎になっちゃったことがあって。好きな仕事なので、ゆっくり自分のできる範囲で、おばあちゃんになるまで続けられたらいいなと思っています。