事務所移転について

要件定義から移転までの事務所移転の流れ

事前準備について

  1. 現事務所の契約状況の確認

    管理会社・大家さんとの契約内容の確認。預り証、前払い賃料と共益費、仲介手数料、賃料の支払時期と方法、契約更新時期のチェック。新聞配達などの契約状況についても確認を行ないます。

  2. 法務局への手続き

    1.同一管轄法務局区内に本店を移転する場合

    2.管轄の法務局が変わる場合

    1の場合の費用は3万円、2の場合の費用は6万円となります。

    • どこへ届けるのか移転前の管轄法務局
    • 届出時期移転後(2週間以内)
    • 提出書類登記簿謄本、定款、印鑑証明書など
  3. 税務署への手続き

    会社の利益にかかる法人税を管理する税務署に対して、住所の変更があったという事実を報告する必要があります。

    • どこへ届けるのか移転前と移転後の管轄税務署
    • 届出時期移転後
    • 提出書類異動届出書(国税庁ホームページでPDFダウンロード可)

    ※移転登記後の法人登記簿謄本を添付する

  4. 地方税務署への手続き

    登記簿謄本を添付して、事業開始等申告書などの事務所移転手続きを行う。

  5. 社会保険事務所の手続き

    社会保険事務所への手続き。登記簿謄本を添付して、事務所所在地変更届の提出。

  6. 労働基準監督署・ハローワークへの手続き

    労働基準監督署・ハローワークへの手続き。登記簿謄本を添付して、事務所所在地変更届の提出

  7. 郵便局への手続き

    郵便局への手続き。事務所移転後、移転前の所在地に間違って送られた手紙や書類などの転送手続きを行う。

  8. 清掃局への手続き

    清掃局への連絡。粗大ゴミの大きさ、種類を通知。

  1. 要件定義の作成

    オフィス移転に対する要望事項は、社内の部門や立場によって実に様々であり、それらの個別要望に対応し過ぎることで本来の目的が達成できなくなることがあります。

    オフィス移転の初期段階で会社としての目的を明確にし、移転を担当する部門やプロジェクトチームのミッションとして落とし込むことで、ぶれずに計画を遂行することができます。 オフィスの在り方は目指す働き方によって異なるため、早い段階で働き方の特性と現状課題を把握することが重要です。

    まずはベンチマークとして、一般的な企業のオフィス環境データを調べ、それと自社のオフィス環境を比較することをお勧めします。またライブオフィスなど先進的な取り組みを参考にすることでも、より具体的に働き方を検討することができます。

    要件定義の段階から物件を意識することは理想のオフィスの実現において重要事項になります。不動産業者へのご相談はなるべく早めの段階で行ないましょう。

  2. 移転先の調査

    移転先の検討時には、立地・賃料・床面積・形状・設備等の必要な条件により候補ビルを絞り込み、必要に応じてレイアウトシミュレーションなどを行いながら検討を進めます。

    あわせて、オフィスのライフサイクルコスト(オフィスの契約期間内にかかる全てのコストのこと)も移転先を決める上で大事な考え方です。

    移転先の決定には専門知識が必要になりますので、移転前には必ず不動産への確認を取ることをお勧めします。

    弊社にご相談頂けますと、物件のご提案まで行わせて頂きますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

  3. 移転先の決定

    1人1人のワークスペース・空間設計等、作成した要件定義を解決できる物件を見つけた場合、該当の不動産を所持しているビルオーナーへの申し込みを行ないます。

    申し込みが完了し、引っ越し日時の詳細が決定すると現事務所の整理・移転先の準備に着手します。

    弊社では一貫して上記の作業のお手伝いを行わせて頂いております。多数の実績がございますので安心してご相談下さい。

  4. 移転準備

    現事務所の備品・オフィス用品等の整理を行ないます。荷造りを行う際には必ずラベルを貼り、中身を確認できる状態をつくりましょう。事務所移転の際は、必ずと言っていいほど荷物がどこにいったかわからない状態が生れます。未然に防止するためにもラベルは必ず準備しましょう。備品整理時に購入リストも作成し、移転日に備品が届くよう手配をします。

  5. 移転決行

    搬入日にトラブルが発生する場合がございます。特に電話線の準備を怠らないようにしましょう。事前に電話会社に連絡することで、当日から利用できる環境を整えることができます。事務所移転の日でも営業を続けられる環境を整えましょう。

事務所開設について

事業計画から開設までの事務所開設の流れ
  1. 事業計画書を作成する

    事業計画書とは?

    事業計画書とは、あなたがこれから行おうとしている事業の内容や目的、特徴、開設までのスケジュールの作成、収支計画などを明らかにします。

    しっかりとした事業計画があれば、金融機関からの融資も受けやすくなります。

    事業を進める上での指標になりますので、非常に重要な書類と言えます。

    事業計画書の書き方

    融資を目的として事業計画を書く場合、各金融機関の所定のフォーマットが準備されていることも多くあります。最初の段階からいきなり定められたフォーマット通りに書くことはお勧めできません。なぜならば、「本当に自分の考え」を見つめることなく、フォーマットを上手な文章で埋めることばかりを考えてしまいがちだからです。自分自身の考えをまとめるためにも、まずはパソコンのWordやパワーポイント、あるいは手書きでもかまいませんので、あなた自身の言葉で事業計画を書いていきましょう。

    事業計画記載内容(見本)

    1.事業の概要
    • 事業内容
    • 開設の動機
    • 目標
    • 自分の経歴
    2.市場分析
    • ターゲット市場
    • 競合企業
    • 市場の将来性
    3.商品、サービス
    • 自社商品、サービス詳細
    • 自社商品、サービスの強み
    4.販売、仕入、生産計画
    • 販売先、販売計画
    • 仕入計画、コスト計算
    • 生産計画、コスト計算
    5.事務所設備、従業員
    • 事務所、設備、必要経費
    • 人身数、人件費
    6.資金計画
    • 開業資金と運転資金
    • 資金調達計画
  2. 事務所開設に必要な資金を見積もる

    事業計画が立案できたら、その計画を実現するために初年度に必要な費用を算出します。売上が立つ前に必要な経費(仕入れや、店舗・オフィスの賃料)などを含め、運転資金をしっかりと見積りましょう。業種にもよりますが、運転資金を3~6か月分準備できると安心です。資金が足りない、あるいの設備投資が必要といった場合、借入も検討しましょう。

  3. 事務所及び会社名を決定させる

    事事務所や会社の名前を決めます。もし、事務所を成功させたいのであれば、ネーミングはとても重要。人に覚えてもらいやすい語感の言葉や、「何を事業にしているのか」がわかりやすいネーミングがベターです。

  4. 資本金を確定させ、開設資金を集める

    法人設立の場合、新会社法が施行されたことにより、最低資本金制度が撤廃となりました。

    以前の会社法では、株式会社設立の際には資本金1000万円、有限会社設立の際には資本金300万円が必要でした。しかし現在では、たとえ資本金が1円でも株式会社を設立する事ができます。ただし、業界・業種によっては「資本金の額=信頼」となる場合もあるので要注意です。

    どの形態で事務所を開業する? 個人と法人を比較!

    メリット デメリット
    個人事業主
    (個人)

    ・経理上、交際費が全額損金に算入できる(法人の場合、一部は損金できない)。

    ・家業を手伝う家族に支払う給与を必要経費にできる(要届出)。

    ・信用が得られにくく、資金調達しにくい。

    ・法人しか取引しない会社があり、ビジネスチャンスが減る。

    株式会社
    (法人)

    ・信用が得られやすく、金融機関からの資金調達が比較的しやすい。

    ・限界税率が個人よりも低いため、利益が大きくなればなるほど、課税負担が少なくなる。

    ・社会的責任が大きく、事業清算が容易にできない。

    ・登記など面倒な行政手続きが多い。

  5. 開設手続き

    事業計画、屋号/法人名、資本金、開業資金が準備できたら、いよいよ手続きに入ります。個人事業主の場合と、法人設立の場合とで、必要な書類や手続きが全く異なりますので、注意しましょう。

    会社設立(法人の場合)

    1.商号が決まり次第ハンコの準備をする

    会社概要の決定会社の商号(名前)、目的(仕事の内容)、会社の本店(住所)といった、会社を設立する手続きをする上で、必ず最初に決めなければならない概要を決めます。商号が決まったら、会社設立に必ず必要となる「ハンコ」を急いで準備しましょう。ハンコの角印、代表取締役印、銀行印がセットになっているもので、あなた自身にこだわりがなければ安いもので構いません。商号については、すでに登記されている会社と同名、同業の会社でも設立ができるようになりました。しかし、同一商圏で類似サービスをやっている同名の会社はないに越したことはありません。法務局で類似商号の調査ができますので、念のため確認しておきましょう。また、最低限、Yahoo!やGoogleで検索して、近くに同名の会社がないかチェックしておきましょう。設立する株式会社の概要が決まったら、最初に作る書類は、「発起人会議事録」(発起人が1名の場合には「発起人決定書」)です。発起人全員の意思で設立に関する重要なことを決めたということを書面化し、発起人全員で捺印しておきましょう。

    2.定款の作成と公証人による認証定款

    定款の作成と公証人による認証定款とは、会社の憲法のようなものです。会社を運営していくにあたっては基本的なルールを定めます。株式会社の定款のひな型は、日本公証人連合会のホームページにありますので、参考にしてください。

    定款は、3部作成します(会社保管用原本、公証役場提出分、法務局提出分)。定款を作成したら、公証役場に出向いて、公証人に定款認証をしてもらいます。定款の認証を受けることで、初めて法的な効力を持つことになります。発起人全員の実印と印鑑証明書を持参します。発起人のうち誰か1人が代表として行く場合は、他の人たちの委任状を持って行く必要がありますので、注意してください。認証作業が終わったら、定款の謄本を2通受け取ります。1通が会社保存用で、もう1通は法務局の申請用です。

    公証役場に持って行くものと、かかるお金

    会社定款 3通(会社保管用原本、公証役場提出分、法務局提出分)
    委任状 公証役場に行かない発起人の人数分
    個人の実印の印鑑証明書 発起人全員分
    収入印紙 4万円分 ※電子定款の場合は不要
    認証手数料 5万円
    謄本交付手数料 2千円程度
    個人の実印 公証役場に行く発起人は全員持参
    3.出資の履行

    出資金を、株式会社を設立する人(代表者)の個人口座に振り込みます。出資者全員から出資金を振り込んでもらったら、預金通帳を印字して出資金振込の記載があるページと通帳の表紙の裏のページ(銀行名、支店名、口座番号、口座名が記載されているページ)のコピーを取り、法務局へ提出します。

    なお、振込の際には預金通帳に振込人名が印字されるようにします。なお、法務局の手続きが終わるまではこの「出資金」は引き出さない方が良いでしょう。

    4.登記申請書を作成し、法務局へ登記の申請をする

    法務局での登記手続きのための書類を準備します。登記の申請書のほか、取締役及び監査役選任決定書、就任承諾書、取締役会議事録、調査報告書を作成します。

    法務局は全国にありますが、本店所在地を管轄していて商業・法人登記を取り扱っているところへ提出します。ちなみに、法務局への提出日が会社の設立日となります。法務局に申請してから約2日~1週間程度で登記が完了します。手続きの完了日は、書類提出時に教えてもらえます。

    登記では、登録免許税として約15万円が必要となります。

    5.法務局で「履歴事項全部証明書」などを入手

    登記完了日に法務局に出向き、「履歴事項全部証明書」を必要部数発行してもらいます。ちなみに、「履歴事項全部証明書」とは登記簿謄本のことです。

    登記簿謄本は、税務署や都道府県税事務所、社会保険事務所、法人口座を開設する銀行などに提出しますので、5通ぐらいとっておけば安心でしょう。また、会社の印鑑証明も2、3通とっておきましょう。

    これらの諸費用として1万円位を見積もっておきましょう。

    6.税務署や社会保険事務所に届け出る

    登記簿謄本や印鑑証明を受け取ったら、税務署などで、会社設立の手続きを行います。税務署には、「法人設立届出書」や「給与支払い事務所等の解説届出書」、「青色申告の承認申請書」などを提出します。なかでも小規模事業者向けに、源泉所得税の納期をまとめられる特例措置を依頼できる申請書があります。通常は毎月支払わなければならない源泉所得税を年2回にまとめて支払いができるようになりますので、忘れずに申請しておきましょう。

    これらの手続きの多くは、届け出の期限が設けられています。税務署関係は設立後1カ月以内に手続きを終えるようにしましょう。都道府県税事務所への届け出は、例えば東京都の場合、事業開始日から15日以内に届け出が必要です。

    会社設立(個人事業の場合)

    1.事業開始の手続き

    事業を開始する際には、自宅兼事務所の場合は現住所の所轄の税務署に出向きます。自宅とは別の場所に事務所を構える場合は、その事務所を所在地を納税地にすることもできますが、「所得税の納税地の変更届」を、自宅住所側と新住所側のそれぞれの税務署に提出する必要があります。

    また、所得(売上から経費を引いたもの)が290万円以上になる場合、事業税が発生する場合は、地方税を管轄する都道府県税事務所へも「個人事業開始申告書」を提出します。ただ、事業初年度で所得が見込めない人は、届け出の必要はありません。初年度の所得を確定申告すると、自動的に通知が届くようになります。

    2.所得税の減価償却資産の償却方法はどう選ぶ?

    事業のために活用する機械や車など、何年にもわたって使っていくモノは、固定資産となります。それらのものを経理処理する際は、買ったその時に全額を経費にすることはできません。耐用年数に応じて何年かにわたって償却する形を取ります。

    事業開始時に届け出をすることによって、所得税の減価償却資産の償却方法として、「定率法」を選ぶことができます。償却方法は「定率法」と「定額法」があります。定額法は、毎年の減価償却費が定額となることで、「定率法」は資産を購入した初めの年の方が減価償却費は多く、年とともに減少していく方法です。事業開始時は、いろいろなものを購入することになるでしょう。定率法の方が減価償却率を大きく計上でき、節税効果が大きくなりますので、定率法を選択することをおすすめします。

    届け出を出さないと、自動的に「定額法」が適用されますのでご注意ください。

    3.「青色申告」の手続きをしよう!

    個人事業主になったら、所得税を自分で計算し、年に1度、税務署に申告(確定申告)します。青色申告を希望する人全員が提出しなければならないのが「所得税の青色申告承認申請書」です。所定のフォーマットで納税先の所轄税務署に提出します。提出期限がありますので、開業届と同時に手続きをしてしまうことをお勧めします。

    提出期限は、新規開業の場合、1月1日~15日までに開業届を出した場合は、その年の3月15日まで。1月16日以降に開業する場合、開業日から2カ月以内となります。

    4.家族を従業員にする場合の手続き

    「青色専従者給与に関する届出書」を提出すると、奥様など、家族と一緒に事業を行う場合、家族に対して支払った給与を全額経費にすることができます。もちろん、その場合、その家族の方がほかの仕事を持っていないこと、事業主と同居しており生計が同一であること、その事業に年間半年以上従事していること、確定申告の際の配偶者控除、扶養控除の対象になっていないこと、といった条件があります。

    5.従業員を雇う場合の手続き

    「個人事業主」であっても、届出をしておけば、スタッフを雇い入れ、その給与を経費にすることができます。「給与支払事務所等の開設の届出書」を事務所の所在地の所轄税務署に提出します。提出期限は、事務所開設後1か月以内となります。なお、同時に「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」も提出しておきましょう。これは、スタッフの給与から天引きした源泉所得税の納付を年2回にまとめられる特例措置です。通常、源泉税は徴収した翌月10日までに納付しなければならないのですが、この届け出を出しておくことによって、手間がグッと減ります。